遺産相続、こういうところに注意しよう!
3 債務超過(借財・保証)の場合は特に注意しよう
「3か月以内にこれだけはしておこう」のところでも述べましたが、相続は財産を得るばかりではなく、場合によっては、自分の財産を取られてしまうことにもなりかねません。ですから、マイナスの財産については特に注意しておきましょう。
「借金は全て俺が何とかするから、心配するな」には気をつけよう!!
たとえば、被相続人が事業をなさっていた方で、債務超過が分かっているけれども、相続人の1人が事業を立て直そうとしている場合等には注意が必要です。権利は行使しないこともできるし放棄することもできますが、義務はそうはいきません。この場合、事業を継承しない他の相続人も、放棄をしない限り、法定相続分に応じて債務を負担しなければならないのです。相続人間で話し合い、その内の1人がその借金を全部支払うと合意したところで、債権者には債務者の事情は関わりないことですから、対抗できないのです。つまり、あなた自身の財産から、本来の相続分に応じた借金を返さなければならなくなるのです。「長男が跡継ぎなんだから、借金も全部払うのが当然、だから長男に請求してくれ」、というのは、債権者には全く通用しません。