遺産相続、こういうところに注意しよう!
4 情報は共有しよう
被相続人がある相続人と同居していた場合等、ある特定の相続人が相続財産に関する情報を全て握っていて、他の相続人は何の情報も無いという場合があります。私の事務所でも、何とか相続財産がどのくらいあるか調べて欲しいという依頼を受けることもあります。
遺産分割協議は、全ての相続人が参加しなければ無効です。誰か1人でも反対すれば駄目なのです。相続人間で円満に遺産分割協議をするには、何よりもその前提となる情報、つまり、相続財産の情報を共有しなければなりません。これは、「争わない相続」、「円満な相続」のために、とても大事なことなのです。
老後の面倒を見たり、介護をしたり、或いは事前に財産を貰っていたりと、相続人の中には言いたいことがある人もきっといると思います。でも、そう言うことは「寄与分」や「特別受益」の問題として解決すれば良いのです。情報を隠して、こっそりと自分のものにしようということがバレてしまえば相続人間での一番大事なもの、そう「信頼」を失ってしまいます。そして、それは「争族」のはじまりです。今まで仲の良かった親戚が、相続の際の、ほんの些細な事から争うようになる。そう言う例を私は何度も見たことがあります。
相続財産がどこにどれだけあって、それを誰がどれだけ貰ったのか、何にどれだけ費用がかかったのかが分かっていると、案外円満にいくものなんです。