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遺産相続、こういうところに注意しよう!


5 寄与分と特別受益には注意しよう


 相続(遺産分割協議)にあたっては、特定の相続人の行為が「寄与分」にあたるのか、あたらないのか、あたるならその寄与分はいくらなのかについて問題になります。「特別受益」についても同様です。というのも、「寄与分」も「特別受益」もそれらがあるかないかによって、これから分割される具体的な金額に影響するからです。被相続人の財産の維持又は増加のため特別の貢献をした人が少し多めに相続財産を分けて貰うというのも、被相続人から予め財産を貰っていた人の相続分が少し減ると言うことも、考えてみれば当たり前のことですね。


 寄与分・特別受益について正確に理解し、それらを互いに認め合うことで、円満な解決に1歩近づくことができるのです。


寄与分とは

寄与分とは、共同相続人が、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加のためにした特別の貢献のことを言います。簡単に言えば、被相続人のために無償で働いてその事業を手助けしたとか、医療費を支払った上無償で看護をしたとかの「特別な貢献」のことを言います。日常の家事労働や扶養義務の範囲内の療養看護などはこれには含まれません。

寄与分がある場合

(被相続人死亡の際の財産)−(寄与分)=相続財産 と考えます。
寄与分のある相続人は、(相続財産×自らの相続分)+寄与分 を受け取ることになります。


特別受益とは

共同相続人であって、被相続人から遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者のことを特別受益者と言い、その贈与された財産の価額を特別受益と言います。簡単に言うと、遺産の前渡しとして扱われるのです。

特別受益がある場合

被相続人死亡の際の財産)+(寄与分)=相続財産 と考えます。
特別受益のある相続人は、(相続財産×自らの相続分)−特別受益 を受け取ることになります。

この計算の結果がマイナスとなった場合でも、そのマイナス分を返す必要はなく、ただ新たに何も貰えないだけです(持ち戻し免除の遺言がある場合を除く)。

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