相続対策の勧め できればやっておこう!
1 遺言を書いておこう
「うちの家庭に限って、相続で争うことなんて無い。」とか「争う程の財産なんてないよ。」とか思っていませんか?
ずっと仲の良かった兄弟姉妹が相続をきっかけに険悪な関係になることは本当に良くある話です。特に、配偶者が関わってくれば尚のことです。財産の多寡にかかわらず、僅か数十万円のお金を巡ってでも争いになることだってあるのです。被相続人が存命のうちは何も言わなくても、密かに不満を抱えている相続人もいるかも知れません。遺された子供達(相続人)に争いの種を遺さないようにするためにも遺言を書いておくことも考えてみましょう。死んでしまった後では、争う子供達の仲裁をすることもできません。
例えば、前の配偶者との間に子供がいるとか、認知した子がいるとか、推定相続人の中に行方不明の(話の分からない)人がいるような場合には、特に「遺言」について真面目に考えてく必要があると思います。遺言がない場合、預金をおろすためにも、不動産の名義を換えるためにも、相続人全員の同意が必要になります。これは、複雑な家庭になればなる程容易ではありません。遺言をしっかりと書き、遺言執行者を指定しておけば、遺留分で争うことはあっても、問題の解決はずっと楽になります。
また、個人事業主や同族経営の小さい会社など、事業を誰かに継がせたいと思っている場合には、予め何年もかけて準備しておかなければなりません。特に、株式会社(有限会社は、もうありません。有限会社という名の株式会社になっています。)であれば、株式の相続について具体的に相続分を決めておいた方が経営の安定のためにも好ましいのです。