遺産相続 用語の解説
さ行
祭祀財産 | 系譜、祭壇、位牌、祭具、墳墓等のことを言います。それらは相続財産には含まれず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する事になります。 |
再代襲 | 代襲相続人も既に亡くなっている場合、その子が更に代襲して相続することを再代襲と言います。再代襲は、第1の相続において、子が相続人となる場合にのみ認められ、兄弟姉妹が相続人となる場合には認められていません。 |
再転相続 | 相続人が考慮期間中に、相続の承認又は放棄をしないで死亡したときは、その者の相続人が自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に相続の方法(単純承認・限定承認・相続放棄)を選択することができます。これを再転相続といいます。 |
死因贈与 | 贈与者の死亡によって効力を生ずる贈与のことを言います。死因贈与については、その性質に反しない限り、遺贈に関する規定が準用されます。 |
指定相続分 | 被相続人は、遺言で共同相続人の相続分を定め、又はこれを定めることを第三者に委託することができます。このとき、定められた相続分を指定相続分と言います。指定相続分は、遺留分の規定に反しない限り、法定相続分に優先します。 |
指定分割 | 被相続人が遺言で示した相続分に基づいて分割する遺産分割の方法を言います。遺言がある場合、指定分割が法定相続分に優先します。 |
受遺者 | 遺贈によって利益を受ける者のことを言います。受遺者が、遺言の効力発生時(遺贈者の死亡時)に生存していない場合、その遺贈は無効となります。 |
準確定申告 | 年の中途で死亡した人(確定申告をしなければならない人)の相続人は、1月1日から死亡した日までの所得を計算して、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に申告と納税をしなければなりません。これを準確定申告と言います。 |
除 籍 | 除籍された(その戸籍に記載されている人が全員いなくなった)戸籍のこと。相続においては、被相続人の生年に遡る戸籍・除籍・改製原戸籍を取得することにより、相続人を明らかにする事ができます。 |
審判分割 | 遺産分割の調停が不成立になった場合には、自動的に審判手続が開始され、家事審判官(裁判官)が遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮して審判をすることになります。この審判手続において行われる遺産分割の方法を審判分割と言います。 |
推定相続人 | 共同相続人が共有する遺産(相続財産)を分割して、各相続人個人の固有財産とすることを言います。そのための話し合いを遺産分割協議、話し合いの結果を文書化したものを遺産分割協議書と言います。遺産の分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力が発生しますが、第三者の権利を害することはできません。 |
全 血 の 兄弟姉妹 |
父母の双方を同じくする兄弟姉妹のことを言います。 |
相続回復 請 求 権 |
相続権を侵害された相続人が相続権の回復を求める権利のことを言います。相続人又はその法定代理人が相続権を侵害された事実を知った時から5年間、相続開始の時から20年行使しないときは、時効によって消滅します。 |
相続関係 (説明)図 |
相続人を調査して、相続人を明らかにするために作成する図のことを言います。これにより、相続関係が一目瞭然となり、相続登記手続の際に提出すれば、戸籍等の原本の還付を受けることができます。 |
相続欠格 | 次の者は、相続人となることができません。これを相続欠格と言います。@故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者 A被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。 B詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者 C詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者 D相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者 |
相続債権者 | 被相続人に対して債権を有していた者、相続の発生により相続人の債権者となった者のことを言います。 |
相続財産 | 現金・預金・債権・株式・不動産その他の積極財産(プラスの財産)、借金等の消極財産(マイナスの財産)、保証債務等、被相続人に属した一切の財産的権利義務で、相続の対象となるもののことを言います。死亡保険金・祭祀財産・包括的根保証などは含まれません。 |
相続財産 管 理 人 |
相続人に代わって(代表して)、相続財産を管理する者のことを言います。家庭裁判所が選任します。相続財産管理人は、被相続人の債権者等に対して被相続人の債務を支払うなどして清算を行い、清算後残った財産を国庫に帰属させます。 |
相続財産法人 | 相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は、法人となります。それが相続財産法人です。 |
相 続 時 精算課税 |
贈与時に贈与財産に対する贈与税を納付し、贈与者が亡くなったときにその贈与財産の価額と相続や遺贈によって取得した財産の価額とを合計した金額を基に計算した相続税額から、既に納付した贈与税に相当する金額を控除した額をもって納付すべき相続税額とする制度のことを言います。この制度の適用を受けるためには、一定の要件の下、原則として贈与税の申告時に「相続時精算課税選択届出書」を税務署に提出しておく必要があります。 |
相続人の廃除 | 被相続人の意思によって、遺留分を有する推定相続人の相続権を奪う制度のことを言います。遺留分を有する推定相続人が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができます。 |
相続分 | 相続分とは、相続人が数人いるとき、相続財産全体に対して個々の相続人が実際に相続する割合のことを言います。相続分には遺言による「指定相続分」と、民法の定めによる「法定相続分」がありますが、指定相続分が優先します。 |
相続分の譲渡 | 自己の相続分を遺産分割の前に、他の相続人又は第三者に譲渡することを言います。 |
相続分の 取 戻 権 |
共同相続人の一人が遺産の分割前にその相続分を第三者に譲り渡したときは、他の共同相続人は、1か月以内に、その価額及び費用を償還して、その相続分を譲り受けることができます。この権利のことを取戻権と言います。 |
相続分の 無いことの 証 明 書 |
相続分を上回る贈与を受けている事や、他の財産を相続しているため当該不動産については相続分がないと言うような趣旨が書かれている書類で、遺産分割協議書に代わって、不動産の登記の際に用いられる。 |
相続放棄 | 相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなされます。プラスの財産もマイナスの財産も一切受け継ぐことはありません。相続放棄は、考慮期間中に、家庭裁判所に限定承認の申述をしなければなりません。また、相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければなりません。 |